特別課題研究「大震災と教育」

特別課題研究「大震災と教育」
担当理事:久冨善之
1、2011年8月学会千葉大会・全国理事会で、課題研究として次のテーマで承認された。
大震災と教育: 「東日本大震災(大地震・大津波と原発過酷事故)に、被災地の人々、ことに子ども・若者、保育者・教師・親、園・学校、地域は、どのように向きあい、どう生き抜こうとしているか」、その被災体験と生き方に学び、「過酷な体験をばねにしつつ育ちゆく子ども・若者たちへの発達支援(保育と教育)のあり方」を父母・教師・住民と共に考え、追究する教育研究をめざして
2、2011年11月に、科学研究費基盤研究(A)として、科研費申請を行った。
[ 研究の全体計画と進行・推進の担当グループ ]
<研究代表> 藤田英典会長
<全体計画グループ> 藤田英典、宮腰英一(東北大学)、数見隆生(東北福祉大学)、佐藤修司(秋田大学)、境野健兒(福島大学)、他4人(計9人)
<事務局担当> 久冨善之(一橋大学)、他5人
[A] 幼児教育・学校教育グループ
<幼児教育group> 小玉亮子(お茶の水大学)他3人
<学校教育group> 田中孝彦(武庫川女子大学)他11人
(3つの下位グループ「学校」、「教師」、「養護教諭」を持つ)
<地震・津波と学校防災group> 数見隆生(東北福祉大学)他3人
[B] 自治体・福祉・社会教育グループ
<自治体・教育委員会group> 大桃敏行(東京大学)他2人
<社会教育施設・機関group> 佐藤修司(秋田大学)他1人
[C] 子ども・学校・地域への支援グループ
<子どものケアと発達支援group> 片岡洋子(千葉大学)他2人
<学習支援・学校支援group> 清水睦美(東京理科大学)他3人
[D] 原発事故と子ども・学校・地域グループ
<原発事故・被災と子ども・学校・地域group> 境野健兒(福島大学)他2人
<資源・エネルギー・原発問題と教育group> 三石初雄(東京学芸大学)他2人
3、上の科研費申請の内容を相談・検討・調整する過程で、当面は以下の□内のような、全体計画グループと、9つのサブグループで研究を進めることを確認した。
4、2012年1月30日~2月1日の2泊3日で、福島県現地訪問・インタビューを研究メンバー13人の参加で実施した。
現地では、福島県教育委員会、福島市渡利地区学童保育所、相馬農業高校「飯館校」分校長、(二本松市で開校している)浪江小学校、浪江中学校、二本松市長、(福島市に臨時役場を持つ)飯館村教育長、(飯館村に残る)特別養護老人ホーム、飯館村立飯樋小学校、などをそれぞれ訪問し、インタビューした。
なお、宮城県と岩手県への全体での現地訪問については、4月~7月の間で実現すべく検討中である。
5、3月17日に、研究メンバー全体会を開いて、研究のこれまでとこれからについて相談の予定。
6、同じ3月17日に、明治大学で以下のような公開シンポジウムを開くことになっている。
[公開シンポジウム]
大震災と教育: 被災3県からの“声”が、日本の教育に提起するもの
主催: 日本教育学会・「大震災と教育」特別課題研究グループ
<シンポジウムの趣旨> 3.11及びそれ以降に起こっている事態は、戦災時にも匹敵するあるいはそれ越える現代的側面を含む、日本の教育史上かつてない巨大被災であり、経験です。そこには被災地・被災者の困難の現実に即した支援の課題がいまも重く存在します。と同時に、被災地に起こっている事態は、人間と自然の関係、地域づくりと園・学校の関係、保育者・教師の役割、自治体の役割、地域産業と子ども・学校の関係などの点で、その困難の深さと貴重な体験と実践など、日本の教育のあり方を考え直す多くの課題が提起されています。本シンポは、被災3県からの“声”が、日本の教育に提起するものを、ともに考えるものです。
<日時> 2012年 3月17日(土)  14:00 ~ 17:30
<場所> 明治大学・駿河台キャンパス リバティータワー10階  1103教室
<報告>
(1)宮城県の教師・学校・地域の声から考えること 上田孝俊さん(武庫川女子大学)
(2)岩手県・陸前高田での支援・調査を通して   清水睦美さん(東京理科大学)
(3)原発・放射線災害と子ども・学校・地域    境野健兒さん(福島大学)
<司会・進行> 藤田和也(國學院大學)
なお、これ以降のシンポジウムや課題研究発表については、上の全体会で検討の予定。