中部地区・公開シンポジウム(中部教育学会共催、2019年7月5日)

公教育における障害者・児への『合理的配慮』をふまえた教育と福祉の新しい課題

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わが国では、障害者の権利に関する条約の批准に続き、障害者差別解消法が制定されたことにより、学校・図書館・公民館・博物館その他の教育施設等、公的に提供されるあらゆる教育機関における障害者差別の禁止と、そのための「合理的配慮」の義務付けがなされた。今後、学校その他の教育施設において条件整備を含む合理的配慮の水準をどのように設定するのか、また利用者と施設、教育行政機関との間でどのような手続きによって合理的配慮の提供のあり方を調整するのか、理論的にも実践的にもいくつもの重要な課題となってきている。

「合理的配慮」をめぐっては、単に修学に必要な条件整備を要請しているのみならず、例えば従来の学校教育における授業方法や、運動会や校外活動等の特別活動のあり方についても再検討を促すものである。また、就学指定のあり方や入学試験のあり方も、大きな検討課題となるであろう。このことは、一斉授業や一斉試験といった日本の学校文化や競争的な教育システムそのもののあり方を問うものであろう。

以上のような関心から、本シンポジウムでは、「教育と福祉」の観点から問題状況をとらえなおし、学校における合理的配慮をめぐる問題を中心にしながらも、障害児の学校外における合理的配慮の問題も視野に入れ、さらには高校・大学への進学保障問題をとりあげ、学校段階をつなぐ入試のあり方の問題など、総合的に検討することとしたい。

とき:2019年7月5日(金) 18時00分~20時30分 【参加費無料】

ところ:愛知県立大学名駅サテライトキャンパス(ウィンクあいち15階)
*ウィンクあいち(〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38)
*JR,地下鉄,名鉄,近鉄「名古屋駅」徒歩約5分

シンポジスト:

  • 山崎 由可里 氏(和歌山大学)
    「障害者差別解消法と学校教育の課題―合理的配慮のあり方をめぐって―」
  • 丸山 啓史 氏(京都教育大学)
    「障害児の放課後保障と合理的配慮」
  • 田中 良三 氏(<法定外>見晴台学園大学学長、愛知県立大学名誉教授)
    「高校・大学への進学保障に向けた合理的配慮とは―見晴台学園高校・大学の実践を通して考える―」

*報告タイトルはいずれも仮のタイトルです。

【連絡先・問い合わせ先】

〒464-8601 名古屋市千種区不老町
名古屋大学大学院教育発達科学研究科(石井拓児研究室)
E-mail:ishii.takuji■h.mbox.nagoya-u.ac.jp (※■を半角の@にしてください)