『教育学研究』の改革について

日本教育学会 会員の皆様へ

 『教育学研究』編集委員会では、採択率の向上と教育学の新しいあり方を模索する改革に取り組んでおりますが、その一環としてこのたび、二つの改革を行うことを決定しました。第一は、『教育学研究』で年2 回行っている特集のうちの一つを、「新しい教育学の模索と挑戦」と題した特集号にし、挑戦的な研究論文を募集して積極的に掲載していくというものです。今月末にみなさま方のお手元に届く予定の『教育学研究』87巻2号に掲載されている投稿論文募集の告知を下記にも挙げましたので、ぜひご覧下さい。第二は、投稿者のイニシアチブを強めるため、投稿者に、利益相反関係のない外部査読候補者の希望を聞くことができるようにするというものです。これについては、同号に掲載されている改訂された投稿要領にその内容が反映されています。また、学会ホームページにも改訂された投稿要領が掲載されております。


 投稿要領はこちらから:
 http://www.jera.jp/pdf/kyouikugaku-guidelines.pdf


 会員のみなさま方におかれましては、ぜひ、これらの改革を活用されて、本誌への投稿を積極的に検討されるよう、お願いします。

                    『教育学研究』編集委員長 小玉重夫

 


『教育学研究』88-2号(2021年6月刊行予定)投稿論文募集
PDFはこちら:

http://www.jera.jp/pdf/88-2CallForPaper.pdf


特集:新しい教育学の模索と挑戦

 『教育学研究』での投稿論文採択率の低さが指摘されて久しい。本学会が会員数の漸減傾向と財政状況の悪化が懸念される中、『教育学研究』は、学会誌としての論文採択のあり方を含めての抜本的な改革が必要な時期に来ている。そうした状況をふまえて、『教育学研究』編集委員会では学会誌のあり方を検討する「『教育学研究』改革ワーキンググループ」を編集委員会内に設けて、議論を重ねてきた。そして、法人理事会での意見聴取を経て、2020年5月の編集委員会で、以下の二つの改革を行うことを決定した。第一は、『教育学研究』で年2 回行っている特集のうちの一つを、「新しい教育学の模索と挑戦」と題した特集号にし、挑戦的な研究論文を募集して積極的に掲載していくというものである。第二は、投稿者のイニシアチブを強めるため、投稿者に、利益相反関係のない外部査読候補者の希望を聞くことができるようにするというものである。第二の点については、本号に掲載されている改訂された投稿要領にその内容が反映されているので、参照されたい。
 以上の決定を受けて、このたび、上記第一の改革を実行に移すために、第88巻第2号を「新しい教育学の模索と挑戦」と題した特集号にし、挑戦的な研究論文を募集することとした。
 いま、教育をめぐる世界と日本の状況は、地球環境問題の深刻化、グローバリゼーションに伴う格差や社会的排除、人口問題の顕在化、そして新型コロナウィルスの感染拡大に伴う生活様式の変容をはじめ、激変のただなかにある。そうしたなかで、教育学は、従来の専門分化した専門ディシプリンの垣根を越えてそれらを架橋し、大胆な現実への切り込みと、価値の創造を行っていくことが求められている。本特集が求める挑戦的な研究論文とは、まさにそうした状況に積極果敢に挑み、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究論文である。
 方法や内容は問わない、また、既存の専門学会のディシプリンに完全には適合していない多少荒削りな論文であってもいいし、もちろん従来のディシプリンをしっかりとふまえた論文であってもいいが、いずれにしても、上記の要件に合致し、心からおもしろいと感じ、取り組むのが愉しくなる教育学の創造につながるような論文を掲載していきたいと考えている。
 会員諸氏の積極的な投稿を期待したい。

締 切:2021年 1 月 29 日(金)必着
送付先:日本教育学会機関誌編集委員会
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町 2-15-2 クレアール神田 102
* 投稿にあたっては、最新の「投稿要領」を参照のうえ、封筒の表に「特集: 新しい教育学の模索と挑戦」と朱書きすること。