日本学術会議法案に関する緊急声明(2025年4月1日)

2025年3月7日、政府は「日本学術会議法案」を閣議決定し、国会へ提出した。この法案には、現行の日本学術会議法に定められている平和国家の構築等の使命や「独立」して職務を行う旨の明記が欠落している。また、中期的な活動計画・年度計画の法定、大臣任命の評価委員による評価、大臣任命の監事による監査、内閣総理大臣の是正措置等、現行法にはない国の関与・監督が幾重にも盛り込まれているものとなっている。

これは、日本学術会議が2021年に出したナショナル・アカデミーの5要件(①学術的に国を代表する機関としての地位、②そのための公的資格の付与、③国家財政支出による安定した財政基盤、④活動面での政府からの独立、⑤会員選考における自主性・独立性)(日本学術会議「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」2021年4月22日)のうち、特に④と⑤を大きく逸脱し、ナショナル・アカデミーの根幹を損なうものであり、学問の自由に対する重大な脅威ともなりかねない。

以上により、本法案に反対し、廃案を求める。

2025年4月1日

一般社団法人日本教育学会
会長 小玉重夫