日本教育学会研究推進委員会では、新たに連続セミナー「外部主体と結ぶ教育学研究者」をオンラインで開催します。
研究者が研究人生を歩んでいく過程で、アカデミア以外の主体との関係が不可避・不可欠となる局面があります。その局面を経験することは、研究者としての経験値・スキル・リソースが蓄積・拡張していく機会でもあります。本セミナーはアカデミア以外の主体との関係構築のノウハウを共有することにとどまらず、そうした関係を研究者の研究力の向上にどう結びつけていくかを参加者とともに考える機会を提供することを目的とします。
第1回「教育学研究者は行政とどのような関係を結んでいるのか/結ぶべきなのか」
・日時:2026年4月24日(金)14:00~17:00
報告者:川口俊明(福岡教育大学)「教育学(者)の生存戦略―学力調査との関わり方―」
報告者:小林正泰(共立女子大学)「自治体教育史編纂事業における教育行政との関わりとその課題」
報告者:池田雅則(兵庫県立大学)「事実の究明に携わること―いじめに関する第三者委員会の調査員として」
指定討論者:佐々木織恵(国立社会保障・人口問題研究所)
司会:武寛子(愛知東邦大学/日本教育学会研究推進委員会副委員長)
教育学研究者は一方で学位を取得し専門的な研究に従事しつつ、他方で社会とのインターフェースをどのように取り結んでいるのだろうか。教育に関係する外部機関とどのように関わるかという知識は、論文や体系化された訓練によって研究者に共有されているわけではなく、実践知や暗黙知によって継承されている(あるいはされていない)場合が多いように思われる。教育学研究者は、文部科学省や地方教育委員会などの教育行政との連携をはじめ、研究大学で産学連携が求められることもある。あるいは社会運動を自らリードする立場の研究者が(単なる政治運動ではなくて、研究成果を踏まえて)政治家に対してアドボカシーロビイングを行い、教員組合や教職員団体と連携・協力することもある。教育学研究者が外部機関と関わる際の具体的な実例や経験を共有し、その先に、より良い社会を創っていくために、研究者としてできることは何なのかを議論してみたい。
かつての教育学の主流がコミットしてきた外部機関は主に教員組合であり、その意味では多くの教育学者は教育行政に対してある種の緊張関係や、時に対立の契機を孕んだ関係性を取り結んでいた時代もあったように思われる。しかし、1990年代後半から文部省と日教組の和解が進みナショナルレベルでの教育政治の対立構造が変容する一方、地方行政のレベルでは教育委員会改革をめぐって首長と教育委員会の関係性が(時に対立の契機を孕みつつ)再編され、あるいは企業やNPOが教育委員会や学校との連携を通じて教育政策や教育実践に一定程度の影響力を及ぼすようになるなど、教育政治をめぐるステイクホルダーは多様化し、その関係性は複雑化した。現在の教育研究者もまた、「現場」や「実践」や「政策」に関わる場合には、こうした複雑な関係性のなかに投げ込まれることになる。その時に、教育学研究者は一体何を行っているのか、行い得るのか、行うべきなのか/行うべきではないのか。
こうした観点から登壇者にこれまでの(教育)行政とのかかわりについて報告をいただく。川口俊明氏には学力調査や量的分析をめぐって文科省やその他の行政機関との関係を、小林正泰氏には地域教育史編纂事業をめぐる教育委員会との関係を、池田雅則氏には大津いじめ事件の第三者委員会に委員として関わった経験から行政諸機関との関係を、それぞれご報告いただく。続いて、ESDの観点から行政との連携や調査、提言の経験をお持ちの佐々木織恵氏から各報告を受けたコメントと論点を提示していただく。これら報告とコメント、そしてフロアを交えた議論を通じて、教育学研究者がキャリアを通じて、研究成果を継続的に社会に還元する機会をどのように持ちうるのかを考えたい。
・開催方法:本セミナーの参加資格は、日本教育学会会員に限定とさせていただきます。事前にお申し込みいただいた方に参加方法をお知らせします。(*会員向けに、後日SOLTIでアーカイブ動画公開予定)
・申込み方法:下記の会員マイページ内「連続セミナー」のタブよりお申し込みください。
https://service.gakkai.ne.jp/solti-asp-member/mypage/JERA
4月21日(火)締め切り。締め切り日以降は、直接、下記の学会事務局あてにメールでご連絡ください。
・問い合わせ先:日本教育学会事務局 jimu [@] jera.jp







