九州沖縄地区
2014年度 九州・沖縄地区研究活動計画
代表理事氏名 新谷 恭明
企画趣旨・実施時期など
テーマ(仮) 「教育学は子どもの貧困とどう向き合えるのか」
- 司会者:上薗恒太郎(長崎大学)佐久間正夫(琉球大学)
- 登壇者:3名程度(未定)
- 日時:2014年12月6日(土)
- 場所:長崎大学
【趣旨】
子どもの貧困は、教育関係者が目をそらすことのできない、かつ目をそらすべきではない課題である。この課題は、貧困のスパイラルにある子どもへの対応だけでなく、個人がこのスパイラルから抜け出す機会を提供する教育体系をつくりだすように社会の構成を再考し、教員養成のありかたを考え直すように要求しているのではないか。
九州教育学会は、昨年度佐賀大学大会においてこの課題を取り上げたが、教育学関係者が子どもの貧困の課題にどのように向き合っていくのかについて、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が施行された2014年に、この課題への先進的な研究を展開している教育学関係者を糾合して、引き続き討議したい。そのさい問われるのは、教育に関わる学問の姿勢であろう。
また今回の総合部会では、特別支援教育の視点からも子どもの貧困問題を照射していきたい。こんにちに至るまで、障害児者およびその家族と貧困の問題について、積極的に認知・発見されているとはなお言い難い状況が続いている。一方こうした中2008年から国連障害者権利条約が発効し、我が国も2014年1月に批准へとこぎつけた。「障害者の固有の尊厳の尊重」が改めて強く叫ばれるなか、障害児者と貧困の問題がなぜ強く問われてこなかったのか、学界(学会)としてそこへ寄与すべきことは何かについて、横断的な議論の必要性が高まっているといえよう。
以上のような問題意識にたちながら、子どもの貧困問題に向き合うための教育関係者の基盤をつくるための討議の場として、九州教育学会第66回長崎大会において「教育学は子どもの貧困にどう向き合うか」の総合部会を、市民に公開しておこないたい。