本学会は、去る2025年4月1日に、現在国会に提出されている「日本学術会議法案」に反対し撤回を求める会長声明を出した。
その後、日本学術会議は2025年4月15日に行われた第194回総会において、声明「次世代につなぐ日本学術会議の継続と発展に向けて ~政府による日本学術会議法案の国会提出にあたって」と、決議「日本学術会議法案の修正について」を可決した。前者の声明では、「科学者の代表により起草された現行法を廃止し、日本学術会議の理念や組織の骨格を定める内容の法案を政府が提出したことは、遺憾と言わざるを得ない」としたうえで、「国会においても、修正の可能性も含め、十分に慎重な審議を望むものである」との意思が表明されている。また後者の決議では、同法案が「日本学術会議が内閣府に対して確保を求めていたナショナル・アカデミーの5要件における実質的な核心部分(①国家財政支出による安定した財政基盤、②活動面での政府からの独立、および③会員選考における自主性・独立性の各要件)を充足しておらず、会長声明で示した5つの懸念(①大臣任命の監事の設置を法定すること、②大臣任命の評価委員会の設置を法定すること、③『中期目標・中期計画』を法定すること、④コ・オプテーションの考え方の逸脱になる次期以降の会員の選考に特別な方法を導入すること、および⑤選考助言委員会の設置を法定することに対する懸念)を払拭していない」と断じ、同法案がナショナル・アカデミーの5要件をすべて充足し、会長声明で示された5項目の懸念をすべて払拭したものとなるよう修正を求める内容となっている。
日本学術会議総会が決定した以上の内容、特に後者の決議が、同法案についてナショナル・アカデミーの5要件における実質的な核心部分を満たしていないとしている点は、4月1日の本学会会長声明が主張した内容と同一のものである。
よって、本学会は学会として日本学術会議総会の上記決定を強く支持するとともに、あらためて、同法案の抜本的修正もしくは撤回を求めるものである。
2025年4月21日
一般社団法人日本教育学会