日本教育学会近畿地区 オンライン企画「『教育学のパトス論的転回』を読む」(2021年05月30日)

日本教育学会近畿地区では、下記のとおりオンライン企画を開催いたします。

追記:この研究会にご参加のみなさまに限り、東京大学出版会にて書籍の先行販売を受けつけております。先行販売の申し込みに関する詳細は、ミーティング参加に関する情報確認メールとともにお送りいたします。

『教育学のパトス論的転回』を読む

 東日本大震災でわになったように、今日、官僚的なシステム化と科学技術による合理化への飽くなき追求は、私たちの暮らす社会のさまざまな領域でカタストロフィ(災厄/厄災)を引き起こしつつあります。このような事態がもたらす人々の苦痛・苦悩・悲哀に対して、教育学はどのように応答することができるのでしょうか。

また、教育の領域に焦点づけるなら、これまで数多くの教育改革が行われてきたにもかかわらず、今日の学校教育は、経済的な格差、マイノリティの排除、いじめを始めとする暴力などの問題を克服し得ないばかりか、むしろそれらを再生産しているのではないかと批判されています。この現状は果たして、実証的・合理的な成果を速やかに上げることをめざすような教育制度改革や教育実践開発のみで改善され得るものなのでしょうか。そういった制度改革や実践開発の前提としてあるはずの「よい教育とは何か」という課題について、私たちは十分に検討しているといえるでしょうか。

『教育学のパトス論的転回』(小野文生・岡部美香編著、東京大学出版会、2021年3月(刊行予定))は、上記のような問題意識を共有する著者6人が、人間の経験や生(生命・生活・人生)が本来的に含みもっている「パトス」――「情感・情動・情熱」「受苦性」「ままならなさ」「冗長性」「捉えがたさ」など――に根ざす教育学の可能性について論じたものです。今回の研究会では、教育学のさまざまな領域で活躍している研究者にこの著作の意義について検討していただき、その議論を皮切りとして、フロアの参加者とともに、これからの教育の方向性と内容を考えてみたいと思います。

 

日  時:2021年5月30日(日)

     開場13時/シンポジウム13時30分~17時30分

場  所:オンライン開催

申  込:参加ご希望の方は、次のURLから事前登録をお願いいたします。

     登録後、ミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます。

https://zoom.us/meeting/register/tJIvcOitqjMoE9Q6d4dNmqjaHydeygYubyKz

 

発 表 者

 第一部:松下 良平(武庫川女子大学)

     鵜野 祐介(立命館大学)

     大塚 類(東京大学)

倉石 一郎(京都大学)

     坂井 祐円(仁愛大学)

 第二部:生澤 繁樹(名古屋大学)

     平石 晃樹(金沢大学)

指定討論:森田 伸子(無所属)、小野 文生(同志社大学)

司  会:岡部 美香(大阪大学)

照 会 先:岡部 美香 mioka@hus.osaka-u.ac.jp 

日本教育学会 シンポジウム ちらし