第193回国会(2017年1~6月)において、「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)の教材使用の可否の問題が議論されました。審議や答弁書における政府の見解はあいまいなものに終始したことに、日本教育学会では強い懸念を抱く声が相次ぎました。政府見解のあいまいさによって、教育勅語の教材使用に関してグレーゾーンができたかのような印象を与え、教育現場での恣意的な解釈や混乱を引き起こす恐れがあると思われるからです。
そこで、日本教育学会は、ワーキンググループを設置して学術的な観点からこの問題について検討し、他の教育学関連諸学会にも呼びかけて、教育学研究者としての見解を明らかにする会長共同声明を作成いたしました。
政府の教育勅語使用容認答弁に関する声明
詳細はこちらをご覧ください。 http://www.jera.jp/20170617-1/
声明の内容のポイントは、「教育勅語は、戦前・戦中における教育と社会の問題点を考えるための歴史的資料として批判的にしか使用できないものであり、普遍的価値を含むものとして教育勅語を肯定的に扱う余地はまったくない」という点にあります。
日本教育学会では、教育勅語の教材使用の問題が現場に無用な混乱を起こさないよう、今後さらに、シンポジウムの開催、報告書の作成で、この問題をさらに明確にしていきたいと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。
シンポジウム(第1回)のご案内
詳細はこちらをご覧ください。 http://www.jera.jp/symposium201706/
- 日時:2017年6月18日(日)13:00~16:00
- 場所:早稲田大学戸山キャンパス 38号館AV教室
教育史学会の声明
*なお、この上記の声明とは別に、教育史学会では教育史研究の立場から独自に声明をまとめて、発表されています。どうかそちらもご参照ください。
詳細は教育史学会のページをご覧ください。 http://kyouikushigakkai.jp/info/2017/0508115621
そのほか有志の声明について
日本カリキュラム学会理事有志・日本教育方法学会会員有志により、2017年5月25日付で、「学校教育における教育勅語の取り扱いに関する提言」を公表しています。
詳細は、こちらをご覧ください。
https://curricularistssoli.wixsite.com/anti-kyoikuchokugo