公開フォーラム「教育格差と教員養成の課題」
日本教育学会 中国・四国地区では下記のフォーラムを開催いたします。
日時:2019年12月1日(日)13:00-15:30
会場:松山大学樋又キャンパス H2B教室
(詳しい場所は松山大学HP
(https://www.matsuyama-u.ac.jp/guide/campus/bunkyo/)
をご覧ください。)
申込・参加費:事前申し込みの必要はありません。参加費は無料です。
いまや教育的格差の問題は、日本だけの問題ではなく、多くの国・地域が根底に抱える問題である。たとえば日本の少子高齢化が進行するエリアでは、学校の統廃合がすすみ、地域産業の問題から子どもの将来の地元定着も不安視され、地域間格差のいっそうの拡大が懸念される。また子どもの貧困の社会問題化とともに、この問題が学力の問題、虐待のリスク、社会的、経済的、文化的再生産による貧困の連鎖と深く関わっていることが明らかにされてきている。さらに、貧困家庭の子どもたちの学校や受験システムへの適応についての不利益が指摘されてきている。
この地域間格差と経済的格差は、複合的な問題としての諸相を呈している。例えば、生活保護家庭の多い地域や少子高齢化の課題を有する地域には産業構造と就労、世帯収入の問題が存在している。また学力には塾通いの影響の強さが指摘されているが、これは地域内の格差(経済的格差)と地域間格差(私塾の多いエリアと少ないエリア)を示すものでもある。そこで本フォーラムでは、地域間格差と経済的格差との交差する教育格差に、教員養成がいかに向き合えるかを検討する。
本フォーラムでは、経済的格差と子どもの学校生活のかかわりについて姜添輝氏から、台湾の少子高齢化地域の学校と教員養成の課題について 梁忠銘氏から、日本の地域に潜む教育格差の問題について白松賢氏から、それぞれ報告してもらう。各国の状況や課題をひろく共有したうえで、教育格差に向き合う教員養成のあり方について議論を深めたい。
【司会】長谷川 裕介(大分大学)
【提案者】
- 姜 添輝(鄭州大学):How do underachieving working class students survive in the classroom?
- 梁 忠銘(台東大学):台湾における教師教育と地域学校の問題
- 白松賢(愛媛大学):日本の少子高齢化エリアの教師の仕事と生活―問題のリアリティー構成に着目して
【指定討論者】 山田浩之(広島大学)
※姜先生の報告は中国語で(日本語通訳あり)、梁先生の報告は日本語でしていただきます。
共催:中国四国教育学会
※なお、第71回中国四国教育学会大会が11月30日・12月1日に松山大学にて開催され、本フォーラムは同大会の一部としても行われます。
11月30日には同大会の公開シンポジウム「道徳授業の改善と評価」(13:30-16:30 於:H2A教室)も実施されます。
学会全体への参加を希望される場合は参加費が必要です。詳しくは学会HP(https://home.hiroshima-u.ac.jp/cssse/index.html)をご覧ください。